【デイ日誌】フンデルトヴァッサー建築の美 予想外の興奮!デイケアで舞洲工場見学
阪神高速4号湾岸線を南下していると海遊館近く右手側に見えてくるカラフルな建築物。
なんだろうな?と思われる方も多いと思います。
それが何かと訪ねたら、大阪舞洲ゴミ処理工場なのです。
改めて近づいて見ても、ここがゴミを処理する工場とは到底思えない奇抜なデザイン。
3月28日に、デイケアで見学に行ってきました。
その外観から、一度は行ってみたいとデイケア内のミーティングで話題となり、今回見学に至りました。
電話で予約できます。
去年から見学を考えていましたが、予約がいっぱいで中々行けずじまいでした。
晴れて2018年3月に行くことができたのでした。
USJの近くに建つことから「間違えて訪れる方もいらっしゃる」とのことです。
なんでこんなデザインなのかと言うと、外観デザイナーのこだわりがそこにあるのです。
この建造物はオーストリア出身の故フンデルトヴァッサー氏がデザインを手掛けました。
氏は
「視覚的な汚染は最も危険である。それが人間的な心を殺すから」
と唱え、建築に自然を取り入れ、自然と人びとの夢との調和を目指しているそうです。
「徹底的に平面と直線を排除している」とされているこのデザインは、駐車場の白線すら真っ直ぐではないです。
いや。そもそも白線ですらない。
停めにくい事を除けば、おしゃれで素敵な駐車場。
こんなの見たことありません。
外観は多数の窓が配置されており、賑やかです。見える窓のウチ、殆どが飾りの窓だそうです。建物のあちらこちらに不断に草木が植えられており、植物の成長とともに外観が変化してくるそうです。
一見普通にみますけど、進んでいくと
こちらの体調や体力に合わせてコース変更を配慮してくれました。
さすが関西ともいうべきか、笑いをとる見事な説明に楽しく見学させていただきました。
そして何より素敵な笑顔。癒される案内でした。
全体の模型図があり、どこを歩いているのかをイメージしながら移動できます。
燃えるゴミだけでなく、不燃ごみ、粗大ごみ等もありました。
ゴミをつかむクレーンも巨大で、人一人よりも大きく、一度にゴミ収集車6台分の量をつかむことができます。
機械は自動で動いていますが、一日数時間は人間の手で微調整を行っているそうです。
工場は24時間で稼働中。
それにあわせてスタッフも常時働いているとのこと。
外から見て一番目立つ建造物。
まるでカリオストロの城でクラリスが閉じ込められている塔のようです。
「私は遠くの人にも近くの人にも楽しめ、同時に高層ビルの工業化した醜さと好対照となりうる芸術として、この煙突を創ろうと試みました」
と、そして
「この煙突は、これから1000年間に芽生えてくる新しい生命のシンボルとなるのです」
と語っています。
熱いです。燃えそうです。燃えるほどの熱意のこもった煙突。
ごみ処理場は、稼働してから30年でその役目を終えなければならないそうです。
それを見越して、舞洲ゴミ処理場は天井から中身をスッポリ取り出せる設計になっているそうです。つまり、ゴミ処理場が機能を終えたあとは、外観を残したまま、まちのシンボルとして別の役割が持てるようになっているのです。
自然と人の調和を目指した建造物が、30年後に真価を発揮すると思いました。
最後にデイケアのみんなでパワーを送って、今回の見学ツアーは終了と成りました。
日頃、自分たちが意識していない「ゴミ」のその後の行方を知ることで、日常生活がちょっぴり深みを増しました。
建築の美、そして社会勉強としてとても良いところだと思います。
見学案内していただいたスタッフの方。丁寧で気持ちのよい見学ができました。
本当にありがとうございました。
参加された皆様もお疲れ様でした。
見学料金は無料です。
事前申し込みが必要
詳しくは大阪市・八尾市・松原市環境施設組合のホームページまで。
各自でご確認下さい。
※ 写真はすべて見学先、参加者の了解を得て撮影しています。
※ フンデルトヴァッサー氏のコメントは、工場内のフリップからの抜粋です。
文責 峰政 裕一郎