【スタッフの課外活動】 市民講座参加の報告 ストレスと慢性疲労症候群
3月8日。和歌山市保健所で行われた市民講座「ストレスと慢性疲労症候群」を外来スタッフが受講してきたので、その報告をします。
今回講師をされたのは、関西福祉科学大学教授の倉恒弘彦氏でした。
慢性疲労症候群という言葉を聴いたことがあるでしょうか?
慢性疲労症候群とは、今まで健康に生活していた方が、「感染様症状」、「膠原病様症状(こうげんびょう)」、「脳機能の低下」、「うつ病様症状」等が、6ヶ月以上続く事とのことです。そして、やっかいなのが、なかなか本人も周囲も病気と認識しにくい点だということです。
ストレスをかかえると、なんと!脳細胞にも炎症がおき、認知機能も下がる傾向にあるそうです。そして、ストレスの感じ方は、人が同じような環境にあっても、ストレスを感じやすい性質や、性格の影響もあり、個人差があるそうです。
すこし意外だったのは、男性よりも女性に多いというデータがあることです。
最近では、線維筋痛症と合併した痛みを訴える女性も多く、疲労がたまると痛みが続くようになり、免疫力が低下したり、思考力が低下したり、という症状が出現するそうです。
疲れは、身体の危険信号です。疲れが溜まると、睡眠時の交感神経と副交感神経のバランスが悪くなったり、寝ている時の副交感神経が活動しなくなることがあり注意が必要とのことでした。
酸化ストレス度もバランスが大事で、値が上りすぎても、抗酸化力値が下がりすぎてもいけないそうです。加えて、日本人の6割は疲れを感じていて、それは作業能力低下等にもつながっているそうです。
驚くことに!経済損失の点から試算すると、「年間1.2兆円」の損失になるそうです。
倉恒氏は「つかれもちゃんと病気と認識し、心療内科、内科等を受診し免疫を上げる薬や、活性酸素を下げる薬、気分を上げる、SSRI等の薬を処方してもらったりすることが大事である」と話されていました。
今回は、「ストレスと慢性疲労症候群」というなんとも身近なテーマに興味をもって参加してきました。
「時間が足りない!」と思うほど集中できた内容で、もっとじっくりお話をききたかったです。とても勉強になりました。
講座の中でもありましたが、自分のストレスには気が付きにくいことも多いそうです。
そこで以前ご紹介しました、厚生労働省が行っている事業「こころの耳」というサイトをご紹介します。なかなか秀逸なストレスチェックシートなどもあるのでやってみるのもいいかもしれません。